ときめき恋する百人一首 一月 睦月

百人一首のなかで恋を詠んだ歌は、半数近い43首あります。1000年以上前の人たちも、胸をときめかせたり、眠れぬ夜を過ごしたりしました。いとしい人への募る思いが三十一文字(みそひともじ)に込められた恋の歌を、私立暁星中学・高校(東京都千代田区)競技かるた部顧問の田口貴志さんが紹介します。
百人一首のなかで恋を詠んだ歌は、半数近い43首あります。1000年以上前の人たちも、胸をときめかせたり、眠れぬ夜を過ごしたりしました。いとしい人への募る思いが三十一文字(みそひともじ)に込められた恋の歌を、私立暁星中学・高校(東京都千代田区)競技かるた部顧問の田口貴志さんが紹介します。


■今月こんげつの恋こいの歌うた

中納言朝忠ちゅうなごんあさただ

逢あふことの絶たえてしなくばなかなかに人ひとをも身みをも恨うらみざらまし

(意味いみ)あなたと出会であわなければよかった。あなたとの恋こいが成就じょうじゅしたから、かえって今いま、この状況じょうきょうがつらく苦くるしく感かんじてしまう。

結むすばれたからこその嘆なげき

いにしえの歌人かじんは和歌わかをツールとして、恋心こいごころを告白こくはくしました。相手あいてに受うけ入いれられれば「恋こいの成就じょうじゅ」です。この歌うたは、恋人こいびとと結むすばれた後あとの複雑ふくざつな心境しんきょうを詠よんだものです。

せっかく恋こいが成就じょうじゅしたのに、何なんらかの事情じじょうで男性だんせいは女性じょせいに会あえなくなったようです。つれなくされ、男性だんせいの悲痛ひつうな思おもいは相手あいてへの恨うらみとなっていきます。「恋こいなど成就じょうじゅしなければよかった」「一度いちど結むすばれたからこそ、なおさら切せつない」と。「恨うらむ」という言葉ことばとは裏腹うらはらに、恋こいしい思おもいが断たち切きれない相手あいてへの愛情あいじょうがにじみ出でています。

「人ひとをも身みをも」とは、相手あいても自分じぶんも、ということ。自分自身じぶんじしんも「恨うらむ」という、みじめな自分じぶんに対たいして向むけた言葉ことばです。しかし一方いっぽうで、心こころの中なかで愛あいする相手あいてと一体化いったいかし、恋人こいびとをかばうかのごとく、自分じぶんを責せめているようにも感かんじられます。

取とり方かたのポイント◇

◆決きまり字じ「あふこ」 二字決にじきまり

「あふこ」は、「オオコ」と読よみます。「オオ…」で始はじまる札ふだは、「オオコ」「オオエ」「オオケ」の3枚まいです。お手てつきをしやすい札ふだなので気きをつけましょう。

敵陣てきじんと自陣じじんに分わかれている場合ばあいは、まず敵陣てきじんに手てを出だし、違ちがった時ときに自陣じじんに戻もどります。これを「戻もどり手て」といいます。コツは、決きまり字じをよく聞きき、「オオコ」なら「…コ」ではないと感かんじた瞬間しゅんかんに、敵陣てきじんから戻もどって自陣じじんを思おもい切きり払はらいます。ただ、「オオコ」でなくとも、「オオエ」か「オオケ」か確定かくていしないので注意ちゅういが必要ひつようです。この場合ばあいは3音目おんめの決きまり字じを聞きき、確認かくにんしてから払はらいます。もし「オオケ」がすでに読よまれていて、敵陣てきじんに「オオコ」、自陣じじんに「オオエ」という状況じょうきょうなら確認かくにんは不要ふようです。決きまり字じが「…コ」でないと感かんじた瞬間しゅんかんに、いちはやく自陣じじんを払はらいます。

もう一首いっしゅ

権中納言敦忠…

 

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