『ちはやふる-結び-』が大傑作となった8つの理由!

現在公開中の『ちはやふる -結び-』は各界から絶賛の声が相次ぎ、映画情報サービスFilmarksでは5.0点中4.2点という超高評価を記録、その口コミ効果もあって大ヒットをしています。
現在公開中の『ちはやふる -結び-』は各界から絶賛の声が相次ぎ、映画情報サービスFilmarksでは5.0点中4.2点という超高評価を記録、その口コミ効果もあって大ヒットをしています。

ここでも断言します。『ちはやふる -結び-』は青春映画の新たなマスターピースであり、マンガの実写映画化作品としても理想的であり、最高の完結編であると! なぜここまでの大傑作となったのか、大きなネタバレのない範囲で、その理由をたっぷりとご紹介します!

1:若手俳優たちの“2年間の成長”が、劇中の物語とシンクロした!

『ちはやふる』シリーズの何よりの魅力は、やはり若手俳優たちの活躍。(知名度ばかりを優先せずに)オーディションで選ばれた彼らが実力を存分に発揮し、「またあいつらに会いたい!」と強く願えるほど個性的で愛すべきキャラたちを熱演していたことに、異論のある方はほとんどいないでしょう。

本作『ちはやふる -結び-』は、2016年に公開された『ちはやふる 上の句』および『ちはやふる 下の句』の2年ぶりの続編となっており、そちらに出演していた彼らが、大きく成長して“帰ってきた”ことも特筆に値します。

広瀬すずは『ちはやふる』前2部作の公開当時から注目はされていたとはいえ、これまで映画で主演を演じたのは『海街diary』(それも4姉妹のうちの1人)のみでしたが、そちらで記憶に残る存在感を見せ絶賛で迎えられていました。野村周平は『クジラのいた夏』や『日々ロック』でも、上白石萌音は『舞妓はレディ』でも主演を務めていましたが、本作で初めてその存在を知ったという方も多いでしょう。

『ちはやふる』前2部作でさらに知名度をあげた若手俳優たちは、その後に公開された話題作にも次々と主演および出演をします。広瀬すずは『怒り』や『三度目の殺人』、野村周平は『帝一の國』や『22年目の告白 -私が殺人犯です-』、新田真剣佑は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』や『不能犯』、松岡茉優は『勝手にふるえてろ』や『聲の形』(声の出演)、上白石萌音は『溺れるナイフ』や『君の名は。』(声の出演)、矢本悠馬は『君の膵臓をたべたい』や『トリガール!』、森永悠希は『あさひなぐ』などなど……。『ちはやふる』は、彼らの出世作として重要な作品でもあるのです。

そうして役者として活躍してきた彼らの2年間が、リアルタイムで2年の時を経て公開された『ちはやふる -結び-』の物語(高校1年生だった主人公たちが3年生になっている)ともシンクロしているかのようなのです。久しぶりに“再会”した彼らは、一見すると印象は変わらないけれど、その演技や表情には2年間という空白の時間にあった成長を感じさせる……そこには映画という虚構と、現実が結びついているかのような感動がありました。

なお、俳優陣はかるた競技の感覚を取り戻すため、クランクインの前にみっちりと合同練習をしたそうです。その甲斐もあって、競技の迫力も前2部作を超えていますよ!

2:“想定されていなかった続編”とはとても思えない! 脚本が神がかり的な完成度だ!

『上の句』および『下の句』では、原作マンガのエッセンスを拾い上げ、かつ限られた上映時間でまとめる映画ならではの“再構築”も抜群に上手く行われていました。2部作であることに…

 

本文の続きと、更に他の書評の閲覧はこちら(シネマズ)