前身の「小倉百人一首殿堂『時雨殿』」は、2006年に開館した百人一首をテーマにしたミュージアム。渡月橋の西側、百人一首とゆかりのある小倉山のふもとに位置しています。
「風光明媚(めいび)な嵐山の一帯は、平安時代以降、数々の文化人や芸術家が好んだ場所です。そんな嵐山に花開いた文化に注目したミュージアムとして、『嵯峨嵐山文華館』がオープンします」。そう話すのは、嵯峨嵐山文華館の事務局長を務める竹本理子(あやこ)さん。
施設は2階建て。1階の3分の1ほどを占めるのが、常設展示室「百人一首ヒストリー」です。時雨殿の展示を構成し直した空間になっているそうで、竹本さんは「百人一首の誕生から、かるた形式になって庶民に普及していった様子をよりわかりやすく解説しています」と話します。
取材日は準備中でしたが、これから百人一首の作者がモデルの「歌仙人形」や、江戸時代の百人一首のかるたが並ぶとか。
「古くから親しまれてきた百人一首の魅力を、多くの人に伝えられればと思います」
120畳の〝畳ギャラリー〟で鑑賞を
常設展示室の隣は、企画展示室。2階まで続いているとのことで階段を上ると…、目の前には広々とした畳の部屋が。
「こちらは畳ギャラリーです。広さは120畳。座ってくつろぎながら作品を鑑賞できます」
1階、2階を合わせたこの企画展示室では、嵐山に関連した作品を紹介する企画を年4回予定。オープン記念展として始まるのが「いまもむかしも 胸きゅん嵐山」です。
「びょうぶや掛け軸など、約50点を展示。嵐山を題材にしたものや、嵐山と関係の深い画家の作品ばかりを集めました。嵐山への愛があふれる、〝胸きゅん〟な企画展ですよ」と竹本さん。
江戸時代後期の画家・矢野夜潮(やのやちょう)の「高雄秋景・嵐山春景図屏風」は国内初公開。春の嵐山の風景が描かれています。

そのほか、与謝蕪村、竹内栖鳳(せいほう)、冨田渓仙(けいせん)などが手掛けたものも。
「さまざまな展示がそろうので、多様な嵐山の表情を楽しめます。現代でいうところの〝インスタ映え〟するスポットが作品になっているように感じますね」
オープン記念展は、11月1日(木)~2019年1月27日(日)に開催。会期中、展示替えあり。
右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11(嵐電「嵐山」駅から徒歩5分)…
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