正月も近づき、親戚同士で集まる機会も増え始めるこの時期。昔ながらの子供の遊びの定番といえば、読み上げられたことわざに合わせてカードを取る「いろはかるた」だが、福岡県が日本のかるた発祥の地であることは意外と知られていない。
かるたはポルトガル語で四角い紙や手紙を意味する。16世紀末にポルトガルから日本に伝来し、国内で初めて作ったのがトランプのような「天正かるた」。現存する最古の天正かるた札には「三池」(現在の福岡県大牟田市)の文字が刻まれ、この地方が特産地だったことを示す。
同市はかるたを地域おこしに生かそうと、1991年に「三池カルタ・歴史資料館」を開設。国内唯一の公立のかるた資料館として、約1万3千点のかるたを所蔵する。
郷土のお土産品やグッズなどで売られるかるたを足がかりにした企画も多い。今年度は創刊50周年の「少年ジャンプ」の歴代作品を振り返る企画を実施。九州のご当地かるたで地名などを学べるコーナーや、自由に遊べる畳のスペースも設ける。梶原伸介館長は「自分の興味を広げる入り口としてもかるたを使ってくれれば」と話す。
同館は競技かるたを盛り上げようと、毎年「九州新人かるた競技大会」を開催。近年は人気漫画「ちはやふる」の影響で人気が高まり、締め切り2週間前に埋まることもあるという。12月8~9日には「おおむたかるたまつり」を…
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