7年ぶり、3度目の挑戦で初めて栄冠を手にした。「負けたらすぐ帰るつもりだったけれど、今夜は琵琶湖の近くでおいしいお酒が飲める」と表情を緩めた。
全日本選手権では5度の優勝を果たすなど、実力は折り紙付きだが「神社のように神様のいる場所では勝てなかった。夏から自分の行いを正してきた」。
クイーン位を決める会場は百人一首ゆかりの天智天皇をまつる近江神宮。ジンクス通りすんなり決まらず、2戦先取で最終の3回戦までもつれた。最後は足がつり、何度も立ち上がって緊張をほぐした。それでも「かえって余計なことを考えず、集中できた」とタフさを見せる。
これまでの挑戦との違いを問われると「勝負は出る札や相手次第で、タイミングもあった。自分の実力はそんなに変わっていない」と振り返る。目指すのは「謙虚なクイーン。どんなときも攻めるかるたを後進に伝えたい」。
父の影響で6歳から始めて、競技歴は26年になる。「続けてきた原動力は好きだから。かるたは生活の一部」。現在は指導者として子どもたちに範を示す立場にある。「後輩に抜かれ諦めそうになったが、折れなければ夢はかなうということを示せた」。会社員として働きながら、地元のかるた競技団体で会長を務める。東京都…
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