◇16年度 県など111作品支援
古い町並みや寺社など歴史的な建造物が数多く残ることから近年、県内で映画などのロケが数多く行われている。上映後には「聖地」としてファンが訪れるなど、観光地としても注目を集めている。県などはロケ誘致に一層力を入れ、〈映画の街〉として発信したい考えだ。(北瀬太一)
◇「聖地巡り」増に期待
競技かるたに青春をかける高校生を題材にした人気シリーズで、現在公開中の映画「ちはやふる―結び―」(小泉徳宏監督)に登場する大津市の近江神宮。レンタルのはかま姿などで記念写真を撮る若者の姿が目立つ。三重県鈴鹿市から来た中学3年向井雛さん(14)は「赤い楼門が想像以上に大きくてびっくり。一度来てみたかったので、うれしい」と笑顔を見せる。
2016年の「上の句」「下の句」の公開以降、同神宮を訪れる人は年間で約10万人増えたという。
大津市は聖地巡りをする人たちを呼び込もうと、ともにロケ地になった福井県あわら市などとゆかりの地を紹介するマップを作り、全国の映画館で15万部配布した。
小泉監督は、3月末に大津市の越直美市長と対談した際、多くの市民らがエキストラなどで協力してくれたことに感謝し、「大津は支援体制が整っていて、好きなように撮影できました」と伝えた。
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明治期の大津が舞台の人気漫画が原作の映画「曇天に笑う」(本広克行監督)では、大津市の日吉東照宮や、長浜市の竹生島などで撮影が行われた。
ほかにも、ベストセラー小説を実写化した「君の膵臓をたべたい」(月川翔監督)では、豊郷町の豊郷小学校旧校舎群が登場。岡田准一さん主演の「関ヶ原」(原田真人監督)では高島市内でセットが組まれた。彦根市でも、4月にイタリア長編映画を撮影するために監督らが訪れた。
県や自治体でつくる滋賀ロケーションオフィスによると、16年度で同オフィスが支援し、県内がロケ地となった映画やドラマなどは111作品。スタッフの宿泊費や施設利用料などの経済効果は約1億2200万円に上るという。
同オフィスは、琵琶湖や比良山系などの豊かな自然に加え、名所旧跡が残る滋賀の情報を発信し、ロケの誘致につなげてきた。
県観光交流局は…
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