漫画「ちはやふる」の人気などで今や愛好者が100万人を超えるといわれる、かるた。日本のかるた発祥の地、大牟田で普及のため、競技かるたの愛好団体「三池よきもの会」の代表を務めている。会を運営しながら、競技者としても腕を磨いている。
「やるからには遊びではなく、全員が(級で最高の)A級を目指し、将来は名人やクイーンを出したい」。可能な限り大会に出て場数を踏み、県内だけでなく佐賀や熊本にも「出げいこ」に行って練習方法を学ぶ。週に3回、大会のない日曜日は朝から夕方まで丸1日、対戦形式を中心とした練習に打ち込む。瞬発力、集中力、暗記力が求められる競技かるたは「畳の上のスポーツ」といわれるほど激しいため、会の全員がスポーツ保険に入っているという。
会の代表としては、メンバーたちがかるたに打ち込める環境作りはもちろん、最も重んじているのが礼儀だ。「技術的にはまだまだ。せめて礼儀はしっかりしたい」との思いから、練習の時でも厳しく指導する。自分の札が乱れた時などに読み手にアピールする挙手は素早くまっすぐ、取った後の札はきちんと重ねる。大会会場で読み手の人から「手の挙げ方が美しい」とメンバーが褒められた時がうれしい。
一方で、メンバーたちの成長は選手として大いに刺激となっている。競技かるたは年間で約60の全国大会が開かれ、3月の全国小中学校競技かるた選手権では、メンバー最年少で当時小学3年の浜川葵葉さん(10)が初優勝を飾った。競技歴約10カ月での快挙に「まさか」と驚きつつ、年齢の離れた後輩のくじけない心、最後まで諦めない姿勢は同じ競技者として「見習いたい」と話す。
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